「MCI(軽度認知障害)フォーラム」第1回会議が3月16日(水)14:00~16:00開催。同フォーラム座長の桜美林大学老年学総合研究所 所長 鈴木隆雄先生が「MCI、科学的根拠に基づく予防対策に

MCI(軽度認知障害)は認知症の抑制ターゲットとすることが重要。最近の研究では、MCIは非薬物治療によって認知機能が回復する。今後は日本全体で認知機能低下を抑制させる戦略が必要。


 MCI(軽度認知障害)フォーラム第1回講義が、3月16日(水)14:00~16:00に開催されました。第1回講義では、同フォーラム座長の桜美林大学老年学総合研究所 所長 鈴木隆雄先生が「MCI、科学的根拠に基づく予防対策について」のタイトルで講演されました。同フォーラムは、認知症による要介護者数を激減するために、最先端臨床試験、臨床研究成果を統合してMCI(軽度認知障害)の新しい治療法開発に資することを目標としています。



 鈴木氏の講演、「MCI、科学的根拠に基づく予防対策について」では、1.国内における認知症の現状 2.進行に伴う生体内変化 3.リスク因子と予防 4.薬物治療と非薬物治療の歴史 5.非薬物治療による生体内変化 6.結論の順で進められました


 この中で、特にMCIを認知症抑制のターゲットにすることの重要性が語られ、後期高齢者で増加することが知られている認知症は、超高齢化社会が進行する日本において治療法の確立が急がれていることが強調されました。


 一方で、認知症は不可逆的な疾患であるため、認知症の前段階であるMCIに対する予防的治療法を見い出すことが課題とされています。MCIは、運動や食事による非薬物治療によって、認知機能が回復する可逆的な疾患であることが最近の研究で明らかになっています。


 特に注目されているのは、認知機能関連因子として知られる脳内サイトカインBrain-derived neurotrophic factor(BDNF)であり、BDNFは認知症患者において血中濃度の低下が報告されています。最新の研究では、多重課題を含む運動や地中海食の摂取がBDNF血中濃度の上昇をもたらし、認知症予防作用の可能性が見い出されました。


 厚生労働省では、前期高齢者に多いMCIの予防を認知症治療の目標として設定するという国単位での取り組みも発足しています。



 鈴木氏は、今後の認知症抑制の発展には、身体活動と血管病変への治療によるリスク低下などの強いエビデンスが示されている介入方法を中心に、認知機能低下を抑制させる戦略の積極的な提案が重要であると結びました。


 次回は、5月17日(火)14:00~16:00、京都大学医学部付属病院 先端医療研究開発研究機構 教授 永井洋士先生が「認知症の社会負担軽減に向けたWHO神戸プロジェクトの成果と社会実装に向けて」のタイトルで講演されます。


(了)