「これからの心臓病医療を考える会」WG2会議

「これからの心臓病医療を考える会」WG2会議が、6月17日(金)17:00~19:00に開催。国立循環器病研究センター 脳神経内科部長 猪原匡史先生が「急増する認知症を循環器病の視点から解き明かす」のタイトルで講演(21世紀メディカル研究所 主任研究員 渡辺幸輔)。


認知症と循環器病の間には、密な関係性が存在。神経変性疾患の研究は、「血流」という因子に目が向けられにくい一方で、循環器病の改善・予防こそが神経変性疾患の改善・予防に重要。


「これからの心臓病医療を考える会」WG2会議が、6月17日(金)17:00~19:00に開催されました。今回は、国立循環器病研究センター 脳神経内科部長 猪原匡史先生が「急増する認知症を循環器病の視点から解き明かす」のタイトルで講演されました。同会は、循環器医療に関わるテーマを広範に議論し、現在の心臓病医療における課題を整理し、その解決策を提言として取り纏め、広く日本社会に発信することを目標としています。


本会議での猪原先生の講演「急増する認知症を循環器病の視点から解き明かす」は、1. 認知症と循環器病の関係性 2. 脳卒中と認知症の新たなリスク 3. 認知症の新たなリスク 4. 遺伝要因と環境要因 5. まとめの順で進められました。この中で、現在の我が国では5人に1人が認知症であるとされ、さらにもう1人は、MCI患者であるという推定が述べられ、認知症研究を進めて行くことの重要性が語られました。


アメリカで行なわれたブレインバンクの再解析では、重めの脳卒中が年齢依存的に増加しており、認知症と合併していることが明らかになりました。また、動物実験では、脳循環が悪化すると、アルツハイマー病がかけ算的・加速度的に悪化することが示されています。脳は、身体の2%程の重量であるが、身体で使われる血液全体の20%を利用しているということからも、猪原氏は、神経変性疾患を循環器病の視点から解析していくことの必要性を強調されました。


認知症は、5年刻みで患者が倍増していく病であるという点から、発症を5年遅らせるこ

とが出来れば、患者数を半減させられると言えます。同氏は、完治させることが最終的なゴールであるとしながらも、徐々に明らかになっていく認知症と血流の関係性から、発症を遅らせることに貢献する研究成果を紹介され、「循環器病こそが認知症の予防に重要である」と結びました。


次回は、7月22日(金)17:00~19:00、東京慈恵会医科大学 循環器内科学講座 循環器内科 教授 吉村道博先生が「心不全の病態とこれからの薬物治療について」のタイトルで講演されます。